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・更新未定です
・SSNのSSは二次創作のことではなく、ショートストーリーのことです
・当サイトは完全オリジナルの短い小説のみ公開しております
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閑静な住宅街。その一角にある緑が特徴的な小さな公園。遊具はすべり台とブランコがそれぞれひとつずつだけ。まわりを囲む木々が強い日差しを遮り、いたるところに涼し気な日陰が出来ていた。そんな公園で何をするでもなく立っている男の子がひとり。幼稚園から小学校へと入学したばかりといったところ。その視線はブランコへと向いていた。
男の子は今日もひとりだった。学校が終わり帰宅しても、共働きの両親は家になく、ただ机の上にお菓子が残されているだけである。宿題のひらがなの書き取りをほんの数分で終わらすと、あとは暇である。入学まもないこと、それから入学直前に引っ越してきたこともあり、まだ友達はいなかった。家で一人でする遊びはもう飽きている。暇である。
男の子は外にでた。家の近くにある公園に行ってみることにしたのだ。その公園に行くのは、初めてだった。大好きなブランコがあるのは知っている。ブランコなら一人でも楽しめる。
男の子が公園に入ったとき、ブランコはすでに揺れていた。見たことのある女の子が仏頂面でブランコに乗っていたのである。あれはたしか同じクラスの女の子である。まだ、話したことはなかった。ブランコに乗りたい。男の子は少し待つことにした。そのうち降りるだろう。
待つこと数分、男の子の中ではおそらくもっと長い時間が流れていただろう。全然降りる素振りがない。男の子は仕方なく、ブランコに近づいていった。
「かわってよー」
女の子に向かって、それだけ言った。しかし、女の子はそのままブランコに乗り続けてた。
「かわってってー。ねぇこうたいしてよー」
「あんただれ?」
女の子の反応は素っ気ない。全然、ブランコを止める気配がない。
「もう、かわってよ!」
「やだ、いまあたしがのってるんだもん。あんたはあっちであそびなさい」
女の子は、器用にすべり台の方を指し示す。男の子はそっちを見て、それからブランコに視線を戻した。ブランコにどうしても乗りたかった。
「やだ、ブランコがいーの。うわぁあん」
ついに男の子は泣き出した。それを見た女の子はブランコから降りた。さすがに申し訳なく思ったのだろう。
「ほら、さっさとのりなさい。ちょっとだけならのせてあげるわ」
「あ、ありがとー」
こうして男の子はブランコに乗ることが出来た。
その後、男の子と女の子は何度もブランコの取り合いをした。基本的に女の子のほうが優勢だった。
「ねぇ、そろそろかわってよー」
「やだ、まだあたしのじかんよ」
そうしたやり取りをなんどかしたとき、その音はなった。
『ぐぅうう』
「う、いまのはあたしじゃないんだからね」
「おなかすいたのー?」
いわゆる腹の音というやつだった。音の主は、女の子である。誤魔化してるが、二人しかいないので、意味が無かった。その音を聞いて、男の子は少し考えた。そして、思い出した。
「うーん、ちょっとまっててー。すぐもどってくるからー」
そう言って、てとてとと走っていった。
「もう、あたしはおなかなんてすいてないんだからー」
叫んでみても男の子の背中はすでに遠かった。
「はぁはぁ、はいこれ」
戻ってきた男の子の手にはお菓子があった。共働きの両親が男の子ために置いておいたお菓子である。
「い、いらないわよ。そんなの」
『ぐぅぅうううう』
さっきよりも大きな音が鳴り響いた。
「はい、これ」
男の子は笑顔でお菓子を差し出す
「わかったわ。あんたがそういうならもらってあげるわ」
お菓子を手にした女の子は、この日初めて笑顔を見せた。それは、まぶしい笑顔であった。
「ねぇ、ともだちにならない?」
「あんたがそういうなら、なってあげてもいいわよ」
公園には、子どもたちの笑い声が響いていた。
執筆日:2010-10-21
公開日:2010-11-28
加筆修正日:2010-11-28
執筆者:元伊六
男の子は今日もひとりだった。学校が終わり帰宅しても、共働きの両親は家になく、ただ机の上にお菓子が残されているだけである。宿題のひらがなの書き取りをほんの数分で終わらすと、あとは暇である。入学まもないこと、それから入学直前に引っ越してきたこともあり、まだ友達はいなかった。家で一人でする遊びはもう飽きている。暇である。
男の子は外にでた。家の近くにある公園に行ってみることにしたのだ。その公園に行くのは、初めてだった。大好きなブランコがあるのは知っている。ブランコなら一人でも楽しめる。
男の子が公園に入ったとき、ブランコはすでに揺れていた。見たことのある女の子が仏頂面でブランコに乗っていたのである。あれはたしか同じクラスの女の子である。まだ、話したことはなかった。ブランコに乗りたい。男の子は少し待つことにした。そのうち降りるだろう。
待つこと数分、男の子の中ではおそらくもっと長い時間が流れていただろう。全然降りる素振りがない。男の子は仕方なく、ブランコに近づいていった。
「かわってよー」
女の子に向かって、それだけ言った。しかし、女の子はそのままブランコに乗り続けてた。
「かわってってー。ねぇこうたいしてよー」
「あんただれ?」
女の子の反応は素っ気ない。全然、ブランコを止める気配がない。
「もう、かわってよ!」
「やだ、いまあたしがのってるんだもん。あんたはあっちであそびなさい」
女の子は、器用にすべり台の方を指し示す。男の子はそっちを見て、それからブランコに視線を戻した。ブランコにどうしても乗りたかった。
「やだ、ブランコがいーの。うわぁあん」
ついに男の子は泣き出した。それを見た女の子はブランコから降りた。さすがに申し訳なく思ったのだろう。
「ほら、さっさとのりなさい。ちょっとだけならのせてあげるわ」
「あ、ありがとー」
こうして男の子はブランコに乗ることが出来た。
その後、男の子と女の子は何度もブランコの取り合いをした。基本的に女の子のほうが優勢だった。
「ねぇ、そろそろかわってよー」
「やだ、まだあたしのじかんよ」
そうしたやり取りをなんどかしたとき、その音はなった。
『ぐぅうう』
「う、いまのはあたしじゃないんだからね」
「おなかすいたのー?」
いわゆる腹の音というやつだった。音の主は、女の子である。誤魔化してるが、二人しかいないので、意味が無かった。その音を聞いて、男の子は少し考えた。そして、思い出した。
「うーん、ちょっとまっててー。すぐもどってくるからー」
そう言って、てとてとと走っていった。
「もう、あたしはおなかなんてすいてないんだからー」
叫んでみても男の子の背中はすでに遠かった。
「はぁはぁ、はいこれ」
戻ってきた男の子の手にはお菓子があった。共働きの両親が男の子ために置いておいたお菓子である。
「い、いらないわよ。そんなの」
『ぐぅぅうううう』
さっきよりも大きな音が鳴り響いた。
「はい、これ」
男の子は笑顔でお菓子を差し出す
「わかったわ。あんたがそういうならもらってあげるわ」
お菓子を手にした女の子は、この日初めて笑顔を見せた。それは、まぶしい笑顔であった。
「ねぇ、ともだちにならない?」
「あんたがそういうなら、なってあげてもいいわよ」
公園には、子どもたちの笑い声が響いていた。
執筆日:2010-10-21
公開日:2010-11-28
加筆修正日:2010-11-28
執筆者:元伊六
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