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・更新未定です
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 降り注ぐ雨を見て少年は立ち尽くしていた。ちゃんと雨の予報を聞いて、傘を持ってきていたのだが、授業が終わって帰ろうとするとなくなっていた。普通の傘の2倍の骨で特徴的な濃いオレンジをしたその傘を見間違うはずもない。つまり盗まれたのだった。犯人を見つけて仕返しをしたかったが、手がかりがなかった。

放課後、本来ならすぐに帰路に着くのだが、少しでも雨脚が弱まることを期待して図書館で時間を潰した。しかし、結局雨が上がることはなかったようだ。今も降り続いてる。下駄箱の前で外を眺めること数分、雨の中駅まで疾走しようとした瞬間、後ろから声が聞こえた。

「あ、あのー」
 おどおどしたその声の主は、少年と同じクラスの少女だった。手になにかの楽器を持っていた。音楽には詳しくない少年には、それがなにかはわからなかったが、少女が吹奏楽部に入ってることだけはわかった。

「お、同じクラスの……」
「うん、そうだけど、なにか用?」
 少年は何か喋りたそうの少女に先を促す。

「か傘、わすれたんですか?」
「ちょっと違うけど、そんなところ」
 傘を盗んだやつのことを考え、少しイラッとした。

「私、もうすぐ部活終わるので、も、もしよかったらら……」
「もしよかったら」
 少女の顔は耳まで真っ赤になっていた。

「駅まで一緒に帰りませんか?」
 学校から駅までは結構離れている。その距離を女の子と並んで、しかも同じ傘に入って歩くなんて、少年には恥ずかしいことだった。しかし、濡れて帰るよりはマシと判断し、

「うん、いいよ」
 と、答えた。少年のほほも赤く染まっていた。
「じゃ、少し待っててください」
 ペコリと頭を下げ俯いたまま走っていった。走っていく後姿は小動物のようにかわいかった。

恥ずかしいけど、それでもかわいい子と一緒に帰れるのは嬉しいことだった。傘泥棒に感謝してもいいかも知れないと考えていた。

 待つこと数分、部活を終えた少女が駆けてきた。濃いオレンジのしっかりした造りの傘を持って。
「その傘……もしかして……」




執筆日:2010-7-02
公開日:2010-10-31
加筆修正日:2010-10-31
執筆者:元伊六
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