about?

・更新未定です
・SSNのSSは二次創作のことではなく、ショートストーリーのことです
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 少年はライターを持って庭にいた。足元には大量数通の手紙が有った
すべての始まりはひとつの赤い風船だった。3年前、少年は赤い風船を飛ばした、手紙を括り付けて。当時読んでいた小説に影響されてのことだった。飛ばしただけで満足で、返事なんて期待していなかった。実際、当時の少年は薄いピンクの花柄の封筒が届くまで、風船を飛ばしたことを忘れていた。そうして文通は始まった。
そして、その終わりは静かに訪れた。少年はそう考えていた。足元にあるのは出しそびれた手紙だった。ゴミ箱に捨てようと思ったけど、親に見られるわけにはいかない。埋めてたとしても、誰かに見られる危険性がある。少年はいくつか処分法を考えた結果、一番安全なのは燃やすことだと思った。
しかし、いざ燃やそうと思うと手が止まった。自分の思いが綴られた手紙を燃やすのは躊躇われた。

「ねぇ、その手紙燃やすの?」
 いつのまにか少年の背後に女の子が立っていた。小学校2年生くらいのあどけなさの残る女の子だった。頭上には赤い風船が浮いていた。
「君は?」
「うーん、手紙の精霊かな。この国だったら、手紙の神様って言ったほうがわかりやすいかな」
 少年は女の子の言葉を理解できなかった。精霊や神様なんて御伽噺の住人だと考える現実思考を持っていた。

「えーと、精霊ごっこなら他所でやってくれない?」
「その手紙燃やすの?」
 少年の言葉を無視して、女の子は再度聞いた。その目は鋭く、小学生の女の子のものとはとても思えなかった。
少年はその目に気圧された。

「う、うん」
頷くのがやっとだった。
「だめだよ。気持ちのこもった手紙を燃やすなんて罰当たりだよ」
「で、でも……」
「燃やすなら私がもらっていくね」
 女の子は、落ちていた手紙を拾い上げる。

「あ、だめだって」
「いらないんでしょ?」
 再び、女の子の目に気圧される少年。一歩あとずさる。
「大丈夫、中は見ないわよ。見なくても書いてることはわかるけどね」
 そういって悪戯な笑みを浮かべる。
「え、わかるの?」
「ここには、愛の言葉が書いてあるわね。こんな手紙を書いちゃうほどなのに、諦めちゃうの?」

 少年はうつむく。手に持った手紙をしばらく眺め、言った。
「しかたないじゃん、彼女からの手紙はもう来ないんだから」
 目を赤くしながら、少年は女の子を睨みつけた。
「まだ、返事が返ってきてないのに諦めるの?」
 女の子は少年の目を軽く受け流す。

「待ったけど返ってこないんだからしょうがないじゃん」
「そんなすぐ諦めるなら、あんな手紙送ってるんじゃないわよ」
女の子は年不相応な迫力で少年を叱責した。

しばらく、二人の間に気まずい沈黙が流れる。少年は、自分より幼い女の子にキレた自分が情けなくなった。
「わかった、もう少し待ってみるよ」
「じゃ、こおの手紙は私が預かっておくね。代わりに、この風船あげる。」
 女の子は手に持った赤い風船を差し出してきた。その風船には、見覚えのある、ピンクの封筒が括りつけられていた。
顔をあげると、女の子の姿はなかった。」






執筆日:2010-7-10
公開日:2010-11-07
加筆修正日:2010-11-07
執筆者:元伊六
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